2016年にニュースで見かけて、気になって当時調べてみました。
全身骨格は1970年代から個人のコレクションやオークションで骨を購入し組み立てたものとのことで、複数体の骨で作られているのは容易に想像できると思います。
それでも、完成度95%・全身骨格は世界で12体あるが、いずれも博物館に所蔵されている・およそ100年ぶりに売りに出された、と言うこともあり、この高値が付いたみたいです。
ドードーとは?
ハト目ドードー科で種類は3種類
※分類にはダチョウやペンギンなど議論されているが、有力なのはハト目
ドードーの代表格。
ドードーのみの表記だとモーリシャスドードーを指す。
七面鳥程度の大きさで体重は20~25㎏
群れで生息していた。
羽毛がグレー。
・レユニオンドードー
(画像なし)
モーリシャスドードーとほとんど変わらないが、羽毛が白く、別名「白ドードー」と言われる。
・ロドリゲスドードー
別名はソリテアー(ひとりもの)。
複数で行動するのが見られなかったため、この別名が付いた。
残されているスケッチから他のドードーに比べ、首が長かったと考えられます。
生息地はマダガスカル共和国近くのマスカリン諸島でそれぞれモーリシャス島、レユニオン島、ロドリゲス島とドードーの前に生息地の名前が付いています。
食生活について
ドードーは硬いくちばしを使い、硬い植物の種子や果実の他、葉なども食べていたとされる。
食べていたと考えられる中にタンバラコク(別名カリヴァリア)という樹木の種子があるが、これの発芽をドードーが助けていたという説があります。
理由はタンバラコクの種子は厚さ1.5㎝もの硬い殻に守られており、そのままでは発芽は出来ません(難しい?)が、その種子をドードーが食べると消化器官で消化され、糞と共に排泄された時には発芽がしやすい状態になっているというものです。
上記のをガチョウやシチメンチョウで証明実験を行い、芽吹きが確認された記述がサイエンス誌に載りましたが、対照実験の結果が示されていないなどもあり、異論を唱える専門家も居る。
ドードーが絶滅したことにより、タンバラコクは、1970年代の観測で老木が10数本、実生の若木は1本とされ、絶滅の危機とされています。
食用としてはどうか?
1507年にポルトガル人に発見されましたが、1598年に航海探検を行った、オランダ人のファン・ネック提督が出版した航海日誌によって初めてドードーの存在が公式に報告されました。
食用に捕獲したものの煮込むと肉が硬くなるので船員達はドードーを「ヴァルクフォーゲル」(嫌な鳥)と呼んでいました。が、続行した第二次探検隊はドードーの肉を保存用の食糧として塩漬けにするなど重宝した、とのことです。
不味くても食料としては必要とされていたんですね。
絶滅の原因は?
A.人間!・・・・これは正しいんですが、これだけじゃ、つまらないですよね・・・・・。
絶滅の原因は人間ですが、要因としてはドードーの生態も関係してきます。
・ドードーは飛べない。
人間が来るまでは島に天敵となる対象はいなかったため、翼は退化していました。
・ドードーの名はポルトガル語の「のろま」から来ており、よたよた歩き。
※ロドリゲスドードーの場合、「開けた場所なら簡単に捕まえられるが森の中ではなかなか捕まえられない」程度の速度。
・警戒心が薄かった。
天敵がいないので当然と言えば当然ですね。
・巣を地上に作った。
※また、ロドリゲスドードーの場合ですが、卵は1個だけ生みます。天敵がおらず、種の存続のために複数個を生む必要はなかったと考えられます。
原因となった人間
・保存食用のために乱獲をする。一部は見世物のために捕獲する。
・ドードーの天敵となる犬や豚、ネズミを持ち込んだことにより、雛や卵が捕食された。
・森林開発により生息域を減少させる。
以上の理由により、個体数は急速に減少し、公になった1598年から83年後の1681年イギリス人のベンジャミン・ハリーの目撃を最後に姿を消し、絶滅しました。
※ロドリゲスドードーは1761年を最後に目撃情報がなくなり、絶滅したとされます。
感想
今回調べて、人間が関与したことにより生息環境が破壊され、80年ほどで絶滅したことには驚きました。
天敵がいないドードーは環境変化に対応するには非常に不利です。
成鳥ですら捕まえやすく、卵や雛は地上で育て、警戒心も薄い、外敵に対して非常に無防備です。
80年ほどじゃ環境に適応するために進化する時間が全然足りないと思います。
ただ、絶滅したことは残念ですが(他人事かよ!)、人間がそれらの過ちを繰り返した中で生息環境への保全や種の保護について活動がされるようになったのは、生物に対して考える、一つの転換期だったのかなと思います。
参考画像・サイト様
・ウィキペディア様ほか